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めくりめくり大会

先日、リノベーション物件で採用を検討している天井材の確認に材木屋さんへ行ってきました。

今回採用を検討しているのは【ラワンベニヤ】
詳しい方だと「え、下地材?」と思われるかもしれません。
その通り、そのラワンベニヤです!

ラワンの表情が結構好きで、度々提案しています。
シナベニヤは一般的に仕上げでよく使われますが、綺麗で少し大人しいイメージ。
今回はもう少し表情のある木目で空間を引き締めたいと思いラワンをご提案したところ、気にいっていただきました。
一般的に一番安価だと言われるビニールクロス仕上げとほとんど変わらない単価で木目のアクセントを付けられることも大きなメリットです。
綺麗な板を20帖以上張ろうと思うと結構な費用がかかってしまいますので…。

過去にラワンベニヤを使った事例

昨年の川島のリノベーションでもロフト部分をラワンで囲ってラワンの箱が浮いているように見せたり

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実は私の仕事机もラワンベニヤです。
天井の下地の余りで骨組みを組んでラワンベニヤでサンドイッチしただけ。

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作業スペースが広く欲しくて2200×910と大きな台にしたので鍛冶屋さんに足を作ってもらいましたが、足を除けば天板の材料費は全部で4,000円程度です。

ただし、あくまでも下地材。
気を付けないと想像と全く違う出来上がりになりますので要注意です。

ラワンベニヤを仕上げとして使う際の注意事項

通常仕上げ(完成して見える部分)で使われる素材は綺麗なものを検品して選ばれますが、下地材はそもそも仕上げに使われることを想定していないので表面が汚いものもあります。
というよりほとんどの物が汚いです。笑

そこでどうするかというと、材木屋さんに乗り込んでいってベニヤの山をめくり倒すんです。
1山100枚前後の山をめくってめくって仕上げで使えるものを選定するのです。

いざ、材木屋さんへ

これまでに何回も色々な材木屋さんへめくりに行きましたが、大体いつも材木屋のおっちゃん達に「こいつらは一体何をしてるんだ」という顔で見られます。
それはそうですよね。
綺麗に積んであるベニヤの山をひたすらめくって横に積み直す部外者がいれば、話しを聞いていなければ絶対に不審者です。しかも相当おかしな動作を繰り返す不審者です。

ただし、こちらも真剣ですし全員に説明していると作業が進まないので、とりあえず大きな声で挨拶だけしつつ作業続行です。
なにせ、ラワンの山々が僕たちを待っているのです。

「採用!」
「不採用!」
「保留!!」
などと繰り返しているといつも途中で
「ギリギリ採用!…いやこれだったらさっきの保留のが綺麗か!?いやそうするとこれは不採用か!?」
とラワンの洪水の中で混乱状態に陥ります。

とか何とか言いつつ、今回も30枚程使えそうなものを選んできました。
ただし、少し全体的に明るく黄色い雰囲気だったので、取り急ぎ一枚持って帰って仮に塗装をして見てもらいました。
「少し明るめが良かったので良いかも」という反応で少し安心。
こちらは施主さん自身で塗装をしていただく予定です。

塗装をするとまた表情が変わりますし、一枚一枚違う顔なので事前に完全な出来上がりを確認することは出来ません。
ただ、木目調のプリントで均一な既製品よりも、試行錯誤して施主さん自身が悩んで決めたもの、少しまばらで癖のあるものも愛着が湧いて良いのではないでしょうか。

 

出来上がりを見て「もうちょっと明るい(濃い)方が良かったかな!?」ぐらいのことがあっても、自身で悩んだ決めたものは納得がいくはずです。
それに大体そういう場合も1年後には「やっぱりこれぐらいで良かった!ニコニコ」みたいなことがほとんどです。笑

住まいは、住む方がつくるものです。
大いに悩んで少しぐらい失敗(?)しましょう!
おそらく、後悔はしないはずです。

K


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