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断熱材充填!!!3

さて、遂に3回も続いてしまいました。断熱材についてのお話し。

実はこれでもかなり書いては消して、なるべく長くならないように書いているつもりなんですが…文章を短くまとめる才能が無いようです^^;
内容的にもどうしても長く、堅苦しく小難しい話しになってしまいますね。すみません。

 

前々回前回と続いて今回で一旦断熱材編は終わりたいと思います!
(まだまだお話ししたいことはありますが笑)

 

これまでお伝えしてきたことをまとめると
・断熱材の比較検討をする注意点
数値(熱伝導率λ)が良くても厚み次第では大した断熱性能(熱抵抗値R)は無いですよ

・GWが実はコストパフォーマンスが高い
ただし施工が難しいので注意。入れれば良いものではない

というようなお話しでした。

 

GWが比較的コストを抑えながら熱抵抗値を上げられるらしいぞ。でも施工が大変らしい、じゃあどうする?というような感覚ですね。

 

今回の大羽根園の家2の断熱材はHGW(高性能グラスウール)16kgを入れています。
天井は屋根上(外断熱)にHGW120mm+フェノバボード60mmを重ねて入れています。
HGWの熱抵抗値に換算すると240mm分の厚みになります。
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壁はHGWを室内側(柱間)に120mm、面材耐力壁を挟んだ外側に50mm、合計170mm充填しています。

IMG_5468 IMG_5556(メーカーの欠品で外部の断熱材メーカーが違うので色が違いますが、性能は同じ製品です)

 

最近増えている現場吹き付け発泡ウレタンや、コストが非常に高くて高グレードなイメージのセルロースファイバー等はメーカーによって謳う熱伝導率が微妙に違いますが、実はおおよそHGWと同じ熱伝導率0.036〜0.040程度であり断熱に関する性能としてはほぼ同じです。
(その他の特性はそれぞれ特徴が違います)

現場発泡ウレタンの場合は柱間に吹き付けるのですが「ブワッ!」と膨らみますので、柱からはみ出さない程度の70〜80mmの厚みが限界になる場合が多いと思います。
つまり、今回の大羽根園の家2はそれに比較すると壁で約2倍、天井(屋根)は約3倍は熱抵抗値が確保出来ている計算になります。

 

では、前回からの問題の施工性の問題はどうするの?というと、
上の写真でも分かるように袋なし、裸のHGWを柱間に充填しています。

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「フィルム(防湿層)が連続するように散々講習まで受けたのにフィルム無し!?
面倒臭いから無くしちゃったの!?!?」

 

いいえ、もちろんそんな訳はありません。笑

 

どういうことかと言うと、既に袋(防湿層)に入ったGWで何とか防湿層を連続させようとするから難しいんです。フィルムを切っては足りなくなり、足りなくならないように長く残して…なんてするのはまどろっこしい!
それなら初めから袋の無い裸のHGWをキチッと壁体内に綺麗に充填し、その後に室内側に別途で防湿層を隙間なく張れば良いのです!

 

大羽根園の家 断熱材充填後、防湿気密シートを施工した現在の様子
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窓周りや
IMG_5828

 

 

 

 

 

 

第一種熱交換換気などの配管や配線貫通部もきっちりと。

 

 

これは、北海道や東北などこの辺りより寒い地域では一般的に施工されている断熱施工です。
寒冷地では現場発泡ウレタンを80mm程度吹いたぐらいの断熱性能では到底厳しい冬を快適に過ごすことは出来ません。
そこでこのように低コストで仕入れが出来るHGWを厚みを増して充填することが多くなっているようです。

 

そして、良識ある建築会社であれば別途防湿層を室内側に施工することで「防湿層+気密層」をきちんと取ることが常識です。

 

これをしないと、室内で暖められた空気が温度差による圧力差で壁体内に引っ張られ気流が起こります。
そこで空気が動いてしまうと、以前お伝えしたように乾燥空気を静止させることで断熱性能を発揮するGWは性能を発揮できずに様々な問題が起こります。

 

その内容について書いていたら、少し専門的な話しになってしまった上に多少毒づいてしまったので最後にまわしました(^^ゞ
興味のある方は読んでみていただければと思います…m(_ _)m

 

 

 

最近多い現場発泡ウレタン断熱が弱い点としては厚みが増せないことと、ほとんどの場合防湿層を別途施工しなくてはいけないという点があります。
発泡ウレタン自体は透湿抵抗が低い(湿気を通す)ので室内の高い湿気が断熱材内を通り、外部の温度で冷やされている断熱材の裏側(外壁側)で結露する恐れがあります。
しかし、発泡ウレタンを吹いて防湿シートを室内側に施工している会社はほとんど見たことがありません。

※現場発泡ウレタン断熱で防湿シートを張っていないから必ず結露する、ということではありません。室内側と室外側の透湿抵抗によりますので、建築会社さんに確認してみてください。「定常計算で確認して大丈夫です」等の回答があれば、きちんと検討されている会社さんだと思うので安心出来ると思います。

 

 まとめ 

このような事を検討した結果、今回はHGW16Kを充填という断熱方法を取っています。

今回の断熱施工内容がコストや手間、断熱性能の面でも目指した内容に最も適していると判断し、現場で施工を進めていますが、気密防湿シートを張ること自体もそれなりに手間が掛かりますし、外部にも断熱(付加断熱)するとなると施工は中々大変です。知識や慣れも必要だと思います。

断熱は袋入りのGWを入れて終わり、や断熱屋さんに発泡ウレタンを吹いてもらって終わり。という断熱施工と比べると細かい部分の処理も気を付けて行う必要もあり、正直な話し結構大変です…。

今回の大羽根園の家は、設計事務所を立ち上げる以前から付き合いのあるイガキ建築工房 井垣大工にお願いしており、断熱気密施工の大部分も大工さんの手により施工してもらっています。(一部は僕。笑)

 

 

断熱気密工事に大切なのは最低限の断熱に対する知識も勿論ですが、一番は作業をする人間の意識だと言えるのではないでしょうか。

 

いくら設計者や監督が「隙間なく入れてね」とお願いしたところで、職人さんが「なぜ断熱材を隙間無く入れることが重要か」という意識が無ければきちんとした断熱施工は到底不可能だと思います。
ましてや、釘の穴1つからも空気が漏れることを防ぐ(現実は完璧は無理なので理想ですが)気密施工は非常に難易度が高いです。

 

ここ最近の私はほぼ毎日、最近は特に大事な工事内容なので毎日半日程度現場で打ち合わせをしたり、一緒に断熱気密工事を行っています。これは一般の住宅工事の監督業務としてはかなり濃い密度だと思います。

一般的には2、3日に一度現場へ行けば良い方かな?何件も掛け持ちしているのが普通なので、決してサボっている訳では無く夜遅くまで毎日残業して頑張っていてそれ、という方がほとんどだと思います。

それでも、毎日行っていても細かい部分も含めて全ては到底確認仕切れません。
作業が進むと見え無くなってしまう部分も多いですし。
そうなると、何をおいても大事なのはやはり職人さんの意識だと思っています。

 

井垣大工は30代の大工としては若い部類ですが二級建築士も取得しています。
先日の京都で二日間泊まり込みでのパッシブハウスジャパンの講習にも参加し、見事に「省エネ建築診断士」の試験も合格しています。普段から設計をしている人間でもそう簡単な試験内容では無かったので、私も少しヒヤッとするぐらいの難易度でした(^^ゞ笑
そんな職人さん探しても中々いないと思います。安心して仕事を任せられます。

 

そんな職人さんなので、ハウスメーカーや工務店など幅広く仕事の依頼が来ているようですが、こんな手間のかかるややこしい仕事を(言い方悪くてすみません!住まい手Tさん 笑) 選んでしてくれているのは本当に感謝しています。
井垣大工に限らず、他の大工さんや電気屋さん水道屋さんや…皆さん、その他の業種職人さんの人柄や仕事への姿勢(こう言うと偉そうですが…)等、本当に自慢出来ます。僕が自慢することでは無いですが(^^ゞ

この職人さんたち無くしては出来無い家づくりです。
いくら工場でほとんど作って現場で組み立てるとしても、住まいを一軒建てるのに人間の手をゼロには出来ません。
職人さんの仕事を削り、工場で「出来るだけ」均一化をしたとしても、一部の手作業の精度やその職人さんの意識はどうなるのか、疑問です。

個人的にはむしろ技術のある職人さんにしか出来ない現場での仕事を増やして、仕事と共に職人さんへの支払う対価も確保して技術を守って育てていくことの方が重要では無いか、と考えています。
そんな偉そうなことを言う前に設計者であり現場監督である自分こそが、より知識や経験を重ねていかなければいけないのは言うまでもありませんが。

 

 

 まとめのまとめ? 

…。
後半は専門的な話しになり決して分かりやすい内容では無くなってきていることも、脱線していっていることも途中で気付いてはいたのですが…(^^ゞ

後半は断熱材に直接関係の無い、こんな内容となってしまいました。
言いたいことは言えたので良しとさせてくださいm(_ _)m笑

長文になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

以前からお知らせしている、こちらの物件の工事途中を見学していただく日程の目処がたってきたのでHPで告知させていただきます。

駐車場やご案内に限界がありますので、ご希望の方はお早めにご連絡いただけると有り難いです。
宜しくお願いいたします。m(_ _)m

 

K

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーひとりごとー

気密の話しになると「ビニールで包まれて生活したいですか?木が呼吸できない」という否定的な意見を言う建築会社さんが必ずいます。

個人的な意見ですが木や土が「呼吸する」という、感覚的であり数値で根拠を示さないものに頼る設計はしたくありません。
その呼吸でどれだけの水分量を吸ってくれるのでしょうか。

室内で鍋を囲み、夜は室内干しで洗濯物を干しても、その湿気をどれだけでも全て木や土や漆喰が吸ってくれるのでしょうか。
そんなことはあり得ないと思いますが、そうだとしてもその吸った水分はどこへいくんでしょうか。
室内が乾燥するまでちゃんと保持して、乾燥したら吐き出すというのは建築をする側の都合の良い勝手な思い込みなのでは…?

隙間だらけで外へ逃げていくならまだマシです。
単に壁の中に入って逃げ場を失い壁体内結露を起こしているだけでは?
壁の中は住んでからは見えませんし、断熱が不足して壁体内の温度が低ければ結露を起こす環境が整っています。

木や土が呼吸して湿度を調整してそれだけで快適な室内環境になる、というのならその根拠を示すべきだと思います。
もちろん建物によって空間の気積の大きさも違えば木や土や漆喰の面積、立米数も違うのでそれに合わせて計算をし、外気温/湿度と室内の気温/湿度が何%で、という条件も様々なパターンが考えられるのでシビアな計算になると思いますが…。

そういった計算すらせず「ビニールで包む気密なんて!呼吸出来なくて体に悪い!!」という同業者には憤りすら感じます。
それを信じて建てた方の住まいで、壁の中は結露でカビだらけ…ということになったらどのように責任を取るつもりなのでしょうか。

そういった吸放湿作用はあるに越したことはありませんが、あくまでも補助的なものとして考えて
「断熱材の室内側で防湿し壁体内に湿気を入れず、気密を取ることで計画的に換気を行う」
という基本を守った上で、室内に漆喰や土のような吸放湿性がある自然素材が湿度を微調整してくれる。というのは最高ですね!もちろん躯体の外側は空気層を取って通気します。

くどいようですが木や土が嫌いな訳ではなく、逆に大好きです。
是非そのような素材を取り入れたいと考えている分、適当な謳い文句で建物を建てる同業者にはちゃんと考えてもらいたいです。

もし私の知識不足で、根拠のある方法や考え方があれば是非教えていただきたいです。(嫌味ではなく)
このやり方にこだわっている訳では無く、良いものはどんどん取り入れていきたいと思っています。

少し毒づいた内容になってしまい、申し訳ありませんm(_ _)m


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