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弾丸秋田の旅2

前回「弾丸秋田の旅」の続きです

そう、改札を出たら何とあの堀部安嗣氏が…

 

建築の関係では無い方はご存知無いかと思いますが、現在住宅設計を主に手がける建築家の中では名実共に日本のトップと言っても過言では無いと思います。
しかも、ちょうど一週間程前に大阪で開催された堀部安嗣氏のレクチャーにも参加したばかりで…

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この一週間後に堀部氏と二日間視察を回ることになるとは…本当に驚きました。
しかも、講演する側では無く聴く側(自分たちと同じ立場)で参加していると聞いて更に驚き。
もちろん主催者から特別に招待があったのだと思いますが、ビックリしました。

 

さて、肝心の内容としてはまずはタニタハウジングウェアさんの秋田工場の見学

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【スタンダード半丸】など、住宅設計の大人気商品の作られていく工程を見ることができました!

 

それから早速今回の個人的に注目していた、もるくす建築社の佐戸の家の見学へ

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実物を見てきました。

前回も少し書きましたが、断熱性能などに関して怪物クラス(?)の建物はたくさんありますが、そのような性能を担保しながらこの意匠性を実現することが凄い。そして意味があると思っています。

超高性能な窓でも断熱材の詰まった壁に比べれば温熱的には弱点です。

 

温熱性能の数値を上げたければ実は簡単で、出来るだけ窓を少なくして引き違いでは無く滑り出し窓にする。というようなことをすればかなり数値は上がります。

でも、数値の為に住まいをつくる訳では無いので、そんなことはしたくありません。
その辺りを感じて意匠系の設計事務所さんや建築家さんの中には、断熱気密や高性能化を毛嫌いしている方もいると思います。

 

 

出来る限り外と繋がり、明るさや緑を眺められる空間としたい。
私もそう思います。

大きな開口部を取りたいし、間取りによっては吹抜けもつくりたい。
そんな時こそ、温熱性能を整えて豊かな空間をつくることを考えるべきなのでは無いでしょうか。

 

つまり、意匠性にこだわる設計の場合にこそ、温熱性能を高めてパッシブな設計をするべきなのだと思っています。

性能だけ追い求めれば、どんどん内に閉ざしていけば簡単。
でも外に開きながら快適な空間をつくるということが非常に難しい。
ある意味相反することをバランスを取りつつ設計していくことになります。

 

それらを非常に高いレベルで行っている代表者が、このもるくす建築社の佐藤氏だと思います。

実際実物を見てもやはり凄くレベルの高い内容で圧巻でした。

 

更に圧倒されたのは、設備設計の内容。
この建物は【オフグリッド】です。
「グリッド」とは電力会社の送電網、をオフ。つまり電気の引き込みをしていないんです。

超高断熱にすることで、消費エネルギーを極限まで抑え、昼間は太陽光発電で発電した電気を使用しつつ蓄電池に貯めて、夜間にも使用する。

 

更に更にこの住まいはガスも使用していません。
調理の熱は薪コンロ。薪を燃やして調理しつつ、その熱でお湯も沸かす。

暖房の熱源である薪ストーブも部屋を暖めつつ、その熱でお湯を沸かす。

太陽光発電とは別に太陽熱でもお湯を沸かす。

 

エネルギーを自給自足する、本物のエコですね。

その後、佐藤氏のレクチャーを聞いたのですが
「オフグリッドを人に勧めるつもりは全くありません」と仰っていました。笑

やはり、色々と制約も出るようで今まで電気の危機が2度あったとか。

 

三重と違い日本海側は日射量が非常に少なく、4日連続で陽がささなかった時には電気の危機がやってきたそうです。

TVはあるけど繋いでいない、ということでした。

原子力でつくった電気を使いたくない。
などご本人の意思による選択だったようで、他人に押し付ける気は無い。ということでした。

 

お聞きしたお話しの中で、特に印象に残ったことがあります。
今日初めて話す、と言っていたので言って良いのかな…?
他にも書いている方をSNSで見かけたので多分良いでしょう!笑

 

この建物に住んでから1年で、奥様の基礎体温が1度以上上がったそうです。
これ、凄いな!と思いました。

断熱、省エネ、エコという言葉が売り文句になりつつある中で、断熱が必要な意味は「家族の健康の為」だと考えています。

家中の温度が変わらず、トイレやお風呂に行くのにも寒さを我慢することなく、冬場にお子さんが布団を蹴っていてもそれ程寒さを感じることなく過ごせる。
湿気のコントロールや換気も計画的に行えるのでカビや空気質も良く健康に過ごせます。
この冬も悲しいことに芸能人の方にもヒートショックが原因のような亡くなり方をされていましたし、ヒートショックで亡くなる方は交通事故の3倍〜4倍と言われています。
外より家の中の方が危ないんですよ…。

 

65歳を迎える西方氏も自邸のコンセプトは「私が死なない家」。^^;

電気代が安くなるとかそういったことは、付随して付いてくる内容だと思います。(勿論大事なことですが)

 

だから、大して躯体の性能も上げずに大量に載せられるだけ太陽光発電を載せて、ガンガン空調しまくりながら売電することでお財布にエコ!みたいな建物は大嫌いです。

 

 

さて、やっと秋田の話しに触れられた(?)ところですが、まだまだ内容は盛り沢山なので続きます!

業務に追われて中々更新出来ていませんが、たまに覗いていただけると嬉しいです。

宜しくお願いしますm(_ _)m

 

K


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